3DPrinting

2025/10/14

うわ!猫だ!

アイディアスケッチ

ふせんで整理したピンセットの進化案をもとに、いくつかの案をスケッチブックに書き出しました。
アイディアには

  • にぎるピンセット
  • ものをはさんだままにするピンセット
  • まっすぐのままのピンセット
などがありました。


うわ!猫だ!

にぎるピンセット

きっかけ・概要・設計

いくつかのアイディアのなかでも「にぎるピンセット」を作ることにしました。
理由は最近ベースを始めたので指の体操になるものがあってもいいなと思ったからです。
また、設計が楽そうだからです。
普段人に指で遣われてるピンセットも、ときとして反発したいのではないでしょうか?
そこで、閉じるのに力がいる、にぎるための硬いピンセットを作りました。

設計上でのポイント

  • 靭性のないPLAで弾性を確保するためにヒンジをラウンド形状に
  • 負荷の集中しそうな部分を厚く、しならせたいところを薄く設計
  • 一応ピンセットとして使わせてていただくため爪を用意
  • ミラーを用い、モデリングを簡略化
  • 開く度合いは30度に設定(ラウンド部を長くしたかったため)
設計データ(STL)

うわ!猫だ!

印刷設定

設計通り一定方向にのみ弾性が働くようにするため、印刷設定も工夫しました。

  • 中身の模様をを同心円(80%)に設定して構造的に弾性を確保
  • 上下部の面をなくして中身と壁のみの構造にすることで一定方向のみに曲がりやすく
  • 速い印刷設定はなんか怖かったので遅めに(40mm/s程度)
  • 層の厚さによって強度はかわるらしいので0.2mmを選択

うわ!猫だ!
うわ!猫だ!

にぎるピンセット

実物レビュー

  • 最初に設計した寸法は課題設定の寸法を全てにおいて無視した大きさであったため、スケールダウンしたバージョンも印刷しました

  • どちらとも手に馴染むサイズ感と、閉じる時の反発具合からなんとなく手にもっていたくなるような感覚はありました。
    しかし、つまむ以外に新しい実用性は見つかりませんでした。 このようななんとなく手持ち無沙汰の時に遊ぶおもちゃをハンドスピナーに代表されるように「フィジェットトイ」と呼ぶそうです。

  • にぎる硬さについて、予想した(洗濯バサミ)程度にはなりませんでした。質のよいニッパー程度の硬さです。
    設計した構造が思ったよりも作用し、あまり曲がらない素材でも曲がりやすくなった点は他に応用できそうです。

うわ!猫だ!

Ver.2

スケッチ

最初に作ったものでは本来の目的の"指の体操"の効果が薄いため、Ver.2を作ることにしました

まず、前回と基本的な構造を共有しつつもそれを4連装縦に並べることで、手全体で握り込む設計にしました。

これにより、5本指を各個別に動かすことができ、ベース・ギター演奏に必要な指の独立性を高める運動ができます。

うわ!猫だ!
うわ!猫だ!

サイズ感を決めるためにスケッチブックのページを使ってモックをつくりました。
5mm方眼はこのようなとき大変便利です。

うわ!猫だ!

CADに起こしました

各部のデザインが野暮ったいので、もうすこし洗練された造形にしたいです。

Ver.2設計データ(STL)
うわ!猫だ!
うわ!猫だ!

Ver2実物

規定のサイズから逸脱している

モックをつくったからか、よく手に馴染むサイズ感でした。
課題の硬さはインフィル密度は変えていないものの厚さを変えたため、目標程度の硬さとなりました。
ただ、指によって必要な硬さは違うため各セクションごとに硬さを変えられてもいいと思いました。

写真下のヒンジ部分を見ると中の構造が板ばねのようにしなっていることがよくわかります。
インフィル密度の違いや厚み、大きさなどでしなり具合を調節することができるかもしれません

コメント:単純なものを単純に作ろうと思っても何かしらの発見が得られた。どんなものでもリソースを注ぎ込んでよいものが作れるようになりたい。
住んでいるアパートで自前の3Dプリンタを使おうとしたところ、騒音がひどく難しかったため、静かに使う方法が得られたらまとめたい。
今回の講義で3Dプリンタを家に欲しいとまでいう人も何人かいたが、途中で挫折した人も同じ数いた。3Dプリンタをはじめデジファブには自分の思い通りに近いものを作れる魅力があるが、同時にそれなりの難しさもある。
だれしもがものづくりできる環境はどうすればいいか考えたい。